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「幸せ」と聞いて一番に思い浮かぶのは,「ポン酢醤油」です。
これは間違いなく明石家さんまさんが出ていたCMの影響です。
「幸せ」という言葉を聞いたとたんに,明石家さんが歌うあのフレーズが頭の中で自動再生されます。
私に限って言えば,あのCM効果は絶大です。
元々ポン酢醤油が好きで,冷や奴にかけたり餃子のタレの換わりにしたり,味変でチャーハンや麺料理に入れたりしていました。
おかずがなくなってご飯だけが残ると,ご飯にポン酢醤油をかけて食べることもあります。
ポン酢醤油があれば幸せなことは間違いありませんが,ここで言いたいのはそんなことではなくて,別のことです。
晴れた日にベランダで一日干した布団に入ると,何とも言えない幸せを感じます。
天気のいい日に布団を干すと,取り入れる時には湿気が減ってさらさらになっています。
それにお日様に暖められて,夜になっても温もりが残っています。
布団に入るとそれが心地よく,満たされた気持ちになるのです。
声を出して大喜びするようなものではなく,じんわりと嬉しくなって小さな幸せに包まれているように思います。
不思議なことに,その時だけはお金が乏しいことや,スイカやオクラの苗が虫にやられたことなど,嫌なことを忘れて幸せな気持ちになれるのです。
しかも,ありがたいことにこの幸せは自分で用意することができます。
天候に左右されはしますが,晴れていれば朝ベランダに布団を干して,夕方部屋に入れて敷くだけです。
それだけで,寝る時に小さな幸せに包んでもらえるのです。
雨が降れば布団は干せないのでこの幸せを味わうことはできませんが,雨の日はコーヒーを飲みながら一日中部屋で好きなことをして過ごすという雨の日の楽しみがあります。
こんな風に思えるのは,歳を取ったせいなのかも知れません。
もしそうなら,歳を取るのも悪くないもんです。
(本文終わり)