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私が幼かった頃,バナナは高級品でした。
かなり昔のことなので,本当に高級品だったかどうかはわかりませんが,個人的にはそう思っていました。
小学校の給食にバナナが出ることがあったのですが,1本そのままで出た記憶はなくて,いつも半分に切られていと思います。
だから,バナナは高級品だったと言うのではありません。
小学1年生か2年生の時のことだったと思います。
自転車で町に行きました。
その帰り道,商店街を通っている時に前と後ろから車が来たので,道の端で止まって車が通り過ぎるのを待ちました。
昔のことなので道幅はそんなに広くなく,2台の車はそれぞれ道路の端ぎりぎりに寄って,ゆっくりゆっくり進みながらすれ違おうとしました。
その時,後ろから来た車のタイヤが自分の右足の甲に乗り上げて,そのまま足の上で止まってしまったのです。
重かったけれど声を挙げるほどの痛みではなく,何とか我慢できしました。
近くにいた人がタイヤが足を踏んでいることに気づいて,運転手さんに伝えてくれて車はバックしてくれました。
運転手さんは車から降りて来てくれたように思うのですが,その辺りの記憶が定かではなく,私は自転車に乗って家に帰ったような気がします。
足は痛かったけれど,幸い骨は折れていなかったようで,湿布か薬を塗ってその日は終わったと思います。
その翌日だったか数日後だったか,家に帰ると大きなバナナの房が2つか3つありました。
運転手さんが家を探してわざわざお見舞いに来てくれて,そのバナナを置いていってくれたそうなのです。
記憶があやふやなところはありますが,その時にバナナをたくさんもらったことが嬉しくて,今でも覚えているのです。
それぐらい,当時,バナナは高級品でした。
今,バナナは購入しやすい値段で,とてもありがたいです。
私はバナナが大好きです。
(本文終わり)