Categories: 雑録

老いの自覚

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 今,61歳なのですが,まだまだ若いつもりでいます。

 気持ちのうえでは40代ぐらいのつもりなのですが,そう思いながらも,時々老いを感じる時があります。

 若いときは軽々持ち上げて運んでいた家具や家電を一人で運べなくなったとか,ちょっと長い階段を上がると息切れするようになったとか,よく物忘れをするとか,挙げれば切りがありません。

 

 でも,冷静に考えると,物忘れは若い時からあって,人より得意だったような気がします。

 だから,物忘れを老いのせいにしてはいけませんでした。

 

 自分ではっきりと「もう若くはないんだ」「歳をとったんだなぁ」と自覚したのは,「鼻毛を抜いても全然痛くなかった」時でした。

 

 一度,若い時(中学生か高校生の時?)に鼻毛を抜いたことがあって,その時は激痛で涙があふれそうになって,しばらくその場にうずくまってしまった記憶があります。

 もし「鼻毛を抜くぞ!」と脅されたら,何でも言うことをきいてしまうと思いました。

 それくらい痛かったので,それ以降,鼻毛を抜くことはありませんでした。

 

 それから長い時間が過ぎて,45歳か46歳ぐらいの時だったと思うのですが,車の運転をしている時に鼻毛が伸びているのが気になって触ったら,触るのを止められなくなってしまって,思い切って抜こうと思ったのです。

 そう決めたものの,あの時の痛みを思い出してすぐには抜けなかったのですが,意を決して抜いてみると,何の痛みも感じずスッと抜けたのです。

 激痛を覚悟していたので自分でも信じられなくて,あっけにとられるような感じだったのですが,「歳をとったんだなぁ」としみじみと感じたのでした。

 年齢は重ねていても,今までと何にも変わっていないと思っていたのですが,その時に初めて自分の老いを自覚しました。

 

 それ以降,鼻毛を抜くことが怖くなくなり,鼻毛が伸びたらハサミで切るのではなく,指でつまんで抜いています。

 この頃は,4~5本まとめて抜いても全然平気です。

 

 歳を取るとできなくなることが増えてきますが,できるようになることもあって,それを楽しむのも満更ではありません。

 

(本文終わり)


Uncle J. J. Tommy

昔は定職に就いていましたが,10年程前に早期退職ました。 やりたかったことを経験した後,臨時採用で働き,60歳で完全無職になりました。 試してみたかったことや憧れていたことをやりながら,残りの人生をのんびり穏やかに過ごせることを願って,日々過ごしています。

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